【弁護士解説】風俗やパパ活は「不貞行為」になる?慰謝料請求ができる境界線

昭和レトロなポスター形式の法律相談イラスト。上部には大きな文字で「風俗は「不貞行為」になる?慰謝料請求ができる境界線を徹底解説」とある。イラストは、左側に「風俗」のネオンサインを見て驚き振り返るコートと帽子の男性、右側に厳しい表情で「法律書」を持つ着物姿の女性が描かれ、二人はギザギザの境界線で隔てられている。下部には「昭和法律相談室」の文字がある。全体的に古びた紙の質感と版画のようなタッチで描かれている。 不貞証拠とは
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「夫が風俗に通っていた、パパ活をしている」
「妻が風俗勤務(パパ活)をしているようだ」

こうした事実に直面した時、真っ先に浮かぶのが**「これは法的に『浮気(不貞)』になるのか?」「慰謝料は請求できるのか?」**という疑問です。

一般的な感覚での「浮気」と、法律上の「不貞行為」にはズレがあります。
特に風俗やパパ活は、その判断が難しいグレーゾーンを含んでいます。

この記事では、風俗やパパ活が法的な不貞行為に該当するのか、そして慰謝料請求が可能なケースについて解説します。

<strong>マダム・ホー</strong>
マダム・ホー

「風俗にパパ活…。『お金を払ってまで何してんのよ!』って感じよね。その怒りはごもっとも。でもね、残念ながら法律の世界じゃ、セ○クスしたかどうかなのよ


1. 結論:法律上の「不貞行為」とは?

まず大前提として、民法上の「不貞行為」とは、配偶者以外の異性と自由な意思で肉体関係(性交渉)を持つことを指します。

この「肉体関係の有無」が、風俗やパパ活における最大の判断基準となります。

行為風俗形態法的な不貞判定
性交渉(本番行為)ソープランド○(不貞行為)
性交類似行為(口淫、手淫など)ピンサロ、ヘルス、デリヘル△(継続性あれば)
飲食キャバクラ、セクキャバ✖(不貞ではない)

2. 「風俗」利用は不貞になるのか?

「プロ相手の商売だから浮気ではない」という言い訳をよく耳にしますが、法律的にはどう判断されるのでしょうか。

配偶者に対する責任(離婚・慰謝料):〇

結論:ソープランドは「不貞行為」となる。(ソープランド以外は不貞行為とはいえない)

相手がプロであっても、配偶者以外の異性と性交渉を行えば、夫婦の貞操義務違反となります。
したがって、夫(または妻)が風俗に通っていた場合、それを理由に離婚請求や慰謝料請求を行うことは可能です。

Q.一回利用しただけでも不貞行為になるのか?【裁判例紹介】

結論:たった一回でも法律上の「不貞行為」に該当します。

法律における不貞とは「配偶者以外と自由な意思で肉体関係を持つこと」であり、そこに「愛情の有無」や「金銭の授受(商売かどうか)」は関係ないからです。

【裁判事例】東京地裁 平成26年4月14日判決

夫が一度だけ「デリバリーヘルス(派遣型風俗)」を利用したことに対し、妻が慰謝料を求めた裁判です。

  • 夫の主張:
    「性的な処理のためにサービスを利用しただけで、特定の女性と愛人関係になったわけではない(だから不貞ではない)。」
  • 裁判所の判断: 夫の主張を却下
    「相手が風俗嬢であっても、また商売として行われたものであっても、配偶者以外と性交渉を行えば貞操義務違反(不貞)になる」と認定し、慰謝料の支払いを命じました。

「不貞」とは認められますが、「たった一回」であれば、慰謝料の額は低くなる傾向があります。また、それのみを理由に「即離婚」が認められるハードルは、長期的な愛人関係に比べると高くなります。

注意点:

性交渉を伴わない店(キャバクラ、ガールズバー、一般的なファッションヘルスの一部など)の場合は、「不貞」とは認められないケースが多いです。ただし、家庭を顧みず浪費を繰り返した場合は「悪意の遺棄」や「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚原因になる可能性があります。

不貞相手:風俗従業員の場合 慰謝料請求:✖

結論:請求は非常に困難です。

配偶者への請求はできても、相手の女性(風俗従業員)への請求は難しいのが現実です。

理由は、相手が**「業務として(仕事として)」**行っているためです。
そこに「夫婦関係を破壊しようとする個人的な故意(愛人関係になりたい等)」がない限り、不法行為として認められにくい傾向にあります。

相手相手:愛人(パパ活女子)の場合 慰謝料請求:〇

結論:慰謝料請求は可能です。

法律上、不倫は配偶者と愛人による「共同不法行為」とみなされ、被害者は両方に連帯して責任を追及できるからです。
性行為の対価として金銭が発生していたとしても、風俗従業員のように業務として行っているわけではないので、慰謝料請求が可能となります。

ただし、以下のケースでは請求が認められない(逃げられる)可能性があります。

  1. 既婚者だと知らなかった(故意・過失なし): 夫が「独身だ」と偽り、愛人もそれを信じるのに無理もなかった場合。
  2. 婚姻関係が破綻していた: 不倫が始まる前から、すでに夫婦関係が終わっていた(長期間の別居など)場合。

確実に請求するには、「相手が既婚者だと知っていた」ことを示すLINEなどの証拠が不可欠です。


3. 「パパ活」は不貞になるのか?

パパ活は「食事だけでお手当をもらう」ケースから「体の関係あり」まで幅広いため、中身によって判断が分かれます。

① 食事・デートのみ(茶飯)

結論:不貞行為にはなりません。

単に食事に行ったり、プレゼントをもらったりするだけでは、法的な「不貞」には当たりません。この段階では、慰謝料請求は困難です。

ただし、頻繁な外出で家庭を放置したり、家計に深刻なダメージを与えるほどの金銭授受があった場合は、別の理由で離婚事由になる可能性があります。

② 肉体関係がある場合(大人あり)

結論:完全に「不貞行為」です。

金銭の授受があろうと、継続的な肉体関係があれば不貞行為とみなされます。この場合、以下の請求が可能です。

  1. 配偶者への慰謝料請求・離婚請求
  2. パパ活相手への慰謝料請求

重要: パパ活相手への請求については、相手が**「既婚者であることを知っていた(または知り得た)」**場合に限られます。「独身だと聞いていた」と反論されるケースが多いため、証拠が重要になります。


4. 慰謝料請求に必要な「証拠」とは?

「怪しい」というだけでは裁判で勝てません。風俗やパパ活を理由に戦うためには、以下の証拠が必要です。

風俗通いの立証

  • 性的なサービスを行う店である証拠(店舗HPのコピーなど)
  • 利用の事実を示すもの(ポイントカード、領収書、クレジットカードの明細)
  • LINEやメール(店やキャストとの予約やり取り)

パパ活の立証

  • 肉体関係を推認させるもの(ホテルへの出入り写真・動画、ホテルの領収書)
  • 性行為があったとわかるLINE(「昨日はよかったね」「次はホテル行こう」等の会話)
  • 不自然な金銭の動き(通帳の記録など)
<strong>マダム・ホー</strong>
マダム・ホー

『店だからノーカウント』なんて、男に都合のいい独自のルールよ。……裁判所という公の場で、その言い訳が通用するか試してみる? ただし、勝つためには『サービスの明細』以上の証拠が必要よ。
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5. まとめ:泣き寝入りしないために

風俗やパパ活は、「遊びだった」「商売だから」という言い訳が通用すると思われがちですが、**肉体関係があれば立派な不貞行為(浮気)**です。

  • 風俗: 夫(妻)への慰謝料・離婚請求は可能だが、店側への請求は難しい。
  • パパ活: 肉体関係があれば、夫(妻)と相手の両方に請求できる可能性がある。

もしパートナーの行動に悩んでいるなら、まずは**「確実な証拠」**を集めることから始めましょう。証拠がない状態で問い詰めても、シラを切られたり、スマホの履歴を消されたりして終了してしまいます。

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