【弁護士が警告】絶対にやってはいけない「NG」な証拠収集方法

昭和時代の古びたポスター風の警告イラスト。上部には大きな文字で「【弁護士が警告】絶対にやってはいけない「NG」な証拠収集方法」とある。中央には「弁護士」の腕章をつけた厳しい表情の男性が指をさして警告しており、左右に二つのNG事例が描かれている。左側は「盗聴・盗撮は犯罪! NG」という見出しで、壁の穴からカメラと大型のテープレコーダーで盗撮する男のイラスト。「プライバシー侵害で訴えられるぞ!」という吹き出しがある。右側は「勝手にログインは禁止! NG」という見出しで、古い型のパソコンを不正に操作する手のイラスト。「不正アクセス禁止法違反だ!」という吹き出しがある。下部の横断幕には「証拠は合法的に! 違法な収集は逆効果!」と書かれ、右下に「昭和法律相談所」のスタンプが押されている。 不貞証拠の集め方
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B-07

不倫の事実を暴きたい、慰謝料を請求したい。その気持ちが強すぎて、一線を越えてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、限度を超えた違法な手段で集めた証拠は、**「違法収集証拠」として裁判で採用されない(排除される)**リスクがあります。

それどころか、あなたが刑事罰を受けたり、逆に相手から「プライバシー侵害」や「名誉毀損」で慰謝料を請求されたりする恐れすらあります。以下の3つは、絶対に避けてください。

<strong>マダム・ホー</strong>
マダム・ホー

一時の感情で動けば、一生の後悔が残る。……怒りに任せて暴走しても、相手を喜ばせるだけで、あなたには一円の得にもならないのよ

NG収集① スパイアプリの無断インストール

【リスク:不正指令電磁的記録供用罪・不正アクセス禁止法違反】

相手のスマホに、「ケルベロス」や「mSpy」といった遠隔操作アプリ(スパイアプリ)を無断でインストールする行為は、犯罪になる可能性が極めて高いです。 たとえ夫婦であっても、相手のIDやパスワードを無断で使用してログインしたり、アプリを通じて位置情報や会話を盗聴したりすることは許されません。

  • 警察沙汰になる可能性: 相手が被害届を出せば、逮捕されるリスクがあります。
  • 裁判での扱い: 重大な違法行為とみなされ、証拠として認められない可能性が高いです。

【警告表】スパイアプリ導入が招く「破滅へのシナリオ」

あなたが行う行為触れる法律とリスク(罪状)警察・裁判所での取り扱い(結末)
アプリの
無断インストール
(導入段階)
【不正指令電磁的記録供用罪】
(いわゆるウイルス罪)
相手の意図しない動作をさせるプログラムを勝手に供用する罪。「3年以下の懲役」等の罰則があります。
【警察沙汰・逮捕】
相手が「スマホが勝手に動く」「バッテリーの減りが異常だ」と警察やショップに相談すれば発覚します。
被害届が出されれば、たとえ妻(夫)であっても逮捕・送検されるリスクがあります。
ID・パスワードでの
勝手なログイン
(設定段階)
【不正アクセス禁止法違反】
アプリを設定するために、相手のGoogleアカウントやApple IDを勝手に入力してログインする行為。
【前科がつく可能性】
夫婦間でも「IDの不正使用」は犯罪です。
「不倫の証拠を掴むため」という動機があっても、この犯罪事実は免責されません。
得られたデータの
証拠提出
(裁判段階)
【違法収集証拠の排除】
アプリ経由で盗聴した音声や、常時監視したGPSログを裁判に出そうとする行為。
【証拠として使えない】
裁判官から「著しく反社会的な手段で収集された」と判断され、証拠採用を拒否(排除)されます。
さらに、相手側から「プライバシー侵害」で高額な慰謝料を逆に請求されます。

弁護士からの警告:リスクとリターンが見合わない

「浮気の証拠は掴めたが、自分は前科持ちになり、逆に慰謝料を払うことになった」。

スパイアプリに手を出すと、このような**「ミイラ取りがミイラになる」**事態に陥ります。

「置いてあるスマホの画面を見る(覗き見)」のと、「内部にプログラムを仕込む(改造・侵入)」のとでは、法的な意味合いが天と地ほど違います。

どんなに怪しくても、スパイアプリだけは絶対に入れてはいけません。

NG収集② 別居先や浮気相手宅への盗聴器設置

【リスク:住居侵入罪】

ボイスレコーダーや盗聴器の設置は、場所によって適法性が大きく分かれます。

  • 自宅(同居中の共有財産): 自宅のリビングや寝室に仕掛けることは、法的には「グレーゾーン」ですが、住居侵入罪にはなりません。民事上のプライバシー侵害が争点になることはありますが、証拠として採用されるケースは多いです。
  • 別居先の家・浮気相手の家: 完全にアウト(犯罪)です。 許可なく敷地内に入った時点で「住居侵入罪」が成立します。たとえ決定的な音声が撮れても、犯罪行為によって得た証拠が裁判で認められることはまずありません。

【境界線】その録音は「証拠」になるか、「犯罪」になるか

設置する場所具体的なシチュエーション法的リスクと証拠能力(裁判での扱い)
同居中の自宅
(リビング・寝室・自家用車)
【グレーゾーン:○~△】
「最近、自宅での電話が怪しい」と感じ、リビングのソファの下や、寝室のベッド裏にICレコーダーを仕掛ける行為。
【原則、証拠として使える】
夫婦が共同生活を送る場所であり、「住居侵入」にはなりません。
プライバシー侵害は問われますが、民事裁判では「不貞の事実を証明する必要性」が上回り、証拠として採用されるケースが大半です。
別居先のアパート
(夫・妻の単身赴任先など)
【ブラック(犯罪):×】
合鍵を持っていたとしても、相手の承諾なく「盗聴器を仕掛ける目的」で別居宅に立ち入る行為。
※「掃除のために行った」という言い訳は通用しません。
【住居侵入罪が成立】
たとえ夫婦でも、別居していればそこは相手の聖域です。違法な侵入(犯罪)によって得られた証拠は、「違法収集証拠」として排除(無効)される可能性が高いです。
浮気相手の自宅
(敷地内・庭含む)
【完全ブラック(犯罪):×】
浮気相手の家の庭に忍び込んで録音したり、ベランダに盗聴器を設置したりする行為。
【逮捕リスクあり・証拠無効】
赤の他人の敷地に入った時点で、即座に**「住居侵入罪」です。
この手段で得た音声データは、著しく反社会的な手段とみなされ、裁判所は証拠として一切認めません。**

弁護士からの警告:「合鍵」があってもダメ

よくある勘違いが、**「合鍵を持っているから(または夫婦だから)勝手に入ってもいい」**というものです。

法律上、合鍵は「入室の物理的な手段」に過ぎず、「入室の権利」を保証するものではありません。 別居している場合、相手の平穏を害する目的(盗聴器設置など)で立ち入れば、合鍵を使って玄関から堂々と入ったとしても「住居侵入罪」は成立します。

リスクを冒して敵陣に乗り込むのはやめてください。証拠収集はあくまで「自分のテリトリー(自宅・自車)」の中だけで行うのが鉄則です。

NG収集③ 会社や友人への聞き込み・暴露

【リスク:名誉毀損罪・侮辱罪】

「夫が会社の〇〇さんと浮気しています!」と会社に電話をしたり、SNSで友人に拡散したりする行為は、たとえ内容が事実であっても**「名誉毀損」**に該当します。

  • 社会的評価の低下: 不特定多数(または多数に伝播する可能性のある第三者)に事実を告げて、相手の社会的評価を下げる行為は違法です。
  • 立場が逆転: 不倫の慰謝料よりも、あなたが支払う名誉毀損の慰謝料の方が高額になるケースさえあります。また、相手が解雇されたり退職に追い込まれたりすると、本来取れるはずの養育費や慰謝料の支払いが滞る原因にもなります。

【警告表】その「暴露」が招く、最悪のブーメラン現象

ターゲット・手段やってしまいがちなNG行動(復讐)跳ね返ってくる「代償」(法的・経済的損失)
勤務先への
電話・密告
(上司や同僚へ)
● 「夫と〇〇さんは不倫しています」
会社に電話をかける、内容証明を送りつける、会社の前で待ち伏せしてビラを配るなど。
● 目的
社内の噂にして、相手を左遷・退職させようとする。
【経済的自殺行為】
1. 名誉毀損罪: 「事実の摘示」であっても成立し、刑事・民事で訴えられます。
2. 養育費の喪失: 相手が懲戒解雇や自主退職に追い込まれると、**収入が途絶えます。**結果、あなたが受け取るはずの慰謝料や養育費が払われなくなります。
SNS・ネット
への書き込み
(Twitter/Insta等)
● 実名や写真付きで投稿
「この女が家庭を壊した泥棒猫です」と相手の顔写真やSNSアカウントを晒す。
● 匿名掲示板への書き込み
「〇〇町の〇〇は不倫している」と個人情報を書き込む。
【高額な損害賠償】
1. 拡散のリスク: ネット情報は半永久的に消えません(デジタルタトゥー)。相手から「一生消えない傷を負わされた」として、不倫慰謝料を上回る額の損害賠償を請求される恐れがあります。
2. 特定されます: 匿名でも「発信者情報開示請求」ですぐに身元がバレます。
友人・知人への
相談・言いふらし
(ママ友・共通の知人)
● 「聞いてよ、あの人が…」
同情を買うために、共通の友人に不倫の事実を詳細に話す。
● LINEグループでの暴露
複数人がいるグループチャットで不貞を暴露する。
【プライバシー侵害】
1. 伝播の可能性: 「ここだけの話」は必ず広まります。噂が広まれば名誉毀損が成立します。
2. 証拠隠滅の引き金: 友人が相手に「バレてるよ」と告げ口し、相手が警戒モードに入って証拠が取れなくなるケースが多発しています。

賢い被害者は、誰にも言わず、静かに証拠を固め、法廷(または示談交渉)という密室の中だけで徹底的に相手を追い込みます。それが最も実利を得られる方法です。

結論:感情任せの調査は「百害あって一利なし」

「サレた側(被害者)なんだから、多少強引なことをしても許されるはずだ」 この思い込みが、あなたを破滅させます。

日本の法律では、「不倫された事実」と「あなたが犯した犯罪」は別問題として扱われます。 感情に任せて暴走した結果、どのような「しっぺ返し」が待っているのか、現実を直視してください。

【対比表】正義のつもりで行う「違法調査」の末路

感情任せの違法調査あなたが期待している正義(幻想)実際に法廷で下される結末(現実)
スパイアプリ
(無断インストール・監視)
「真実を暴くためなら許される」
夫婦なんだから、スマホの中身を見る権利があるはずだ。これで言い逃れできない証拠が取れる。
【前科持ちになる】
不正指令電磁的記録供用罪などで逮捕・送検されます。
「不倫の証拠」は排除され、逆にあなたが犯罪者として裁かれます。
住居侵入・盗聴
(相手宅への侵入)
「悪いのは向こうだ」
不倫相手の家に乗り込んで何が悪い。決定的な音声さえあれば、こちらの勝ちだ。
【警察沙汰&証拠無効】
住居侵入罪が成立します。
反社会的な手段で得た証拠は、民事裁判でも**「証拠能力なし」**として却下され、ただのリスクだけが残ります。
職場暴露・拡散
(社会的制裁)
「社会的制裁を与えたい」
周りに知らしめて、会社にいられなくしてやる。それが裏切った人間への当然の報いだ。
【金銭的敗北】
名誉毀損による損害賠償請求を受けます。
相手が職を失えば養育費も止まり、**「相手から取る慰謝料 < 相手に払う賠償金」**という大赤字になります。

弁護士からの最終アドバイス:法の内側で戦え

不倫問題で勝つための唯一の道は、**「法のルールを守りながら、相手を追い詰めること」**です。

違法行為に手を染めた瞬間、あなたは「かわいそうな被害者」から「危険な加害者」へと転落します。裁判官の心証も最悪になり、本来もらえるはずの慰謝料すら減額される可能性があります。

「怒りはエネルギー源にするが、操縦桿(コントロール)は理性に委ねる」 どうしても理性が飛びそうになったら、行動を起こす前に必ず弁護士に電話してください。それが、あなた自身を守る最後の砦となります。

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