【弁護士解説】探偵業の業務の適正化に関する法律

探偵・興信所の選び方
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探偵業の業務の適正化に関する法律

第1条(目的)

この法律は、探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の運営の適正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することを目的とする。

【要約】 探偵業務について必要な規制を定め、業務を適正に運営させることで、個人の権利利益(プライバシーなど)を守り、消費者が安心して利用できるようにすることを目的とする。

  • 解説: 昔は無法地帯だった探偵業界にルールを作り、悪徳業者を排除して、あなた(依頼者)を守るために作られた法律だということです。

第2条(定義)

1 この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。
2 この法律において「探偵業」とは、探偵業務を行う営業をいう。ただし、専ら、放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道(不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせることをいい、これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。以下同じ。)を業として行う個人を含む。)の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものを除く。
3 この法律において「探偵業者」とは、第4条第1項の規定による届出をして探偵業を営む者をいう。

【要約】 「他人の依頼」を受けて、「聞き込み・尾行・張り込み」などの実地調査を行い、その結果を「依頼者に報告する」業務のこと。

  • 解説: 報道機関(取材)や興信所データバンク等はここから除外されます。重要なのは「実地調査(現場で動く)」を行うものが探偵業という定義です。

第3条(欠格事由)

次の各号のいずれかに該当する者は、探偵業を営んではならない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
三 最近五年間に第十五条の規定による処分に違反した者
四 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者
五 心身の故障により探偵業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの
六 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は次号のいずれかに該当するもの
七 法人でその役員のうちに第一号から第五号までのいずれかに該当する者があるもの

【要約】 以下の人は探偵業を営んではならない。

  1. 成年被後見人等
  2. 禁錮以上の刑に処せられ、終わってから5年経過していない者
  3. 過去5年以内に探偵業の廃止命令を受けた者
  4. 暴力団員、または暴力団員でなくなってから5年経過していない者
  • 解説: **「前科持ち」や「ヤクザ(反社会的勢力)」は探偵になれません。**優良な探偵社は、これをクリアしている証明になります。

第4条(探偵業の届出)

1 探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
一 商号、名称又は氏名及び住所
二 営業所の名称及び所在地並びに当該営業所が主たる営業所である場合にあっては、その旨
三 第一号に掲げる商号、名称若しくは氏名又は前号に掲げる名称のほか、当該営業所において広告又は宣伝をする場合に使用する名称があるときは、当該名称
四 法人にあっては、その役員の氏名及び住所
2 前項の規定による届出をした者は、当該探偵業を廃止したとき、又は同項各号に掲げる事項に変更があったときは、内閣府令で定めるところにより、公安委員会に、その旨を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

【要約】 営業所ごとに、所在地の管轄警察署を経由して公安委員会へ書類を届け出なければならない。

  • 解説: 探偵業は「許可制(試験などがある)」ではなく「届出制(書類を出せばなれる)」です。だからこそ、届出さえしていない業者は論外ということになります。

第5条(名義貸しの禁止)

前条第一項の規定による探偵業の届出をした者は、自己の名義をもって、他人に探偵業を営ませてはならない。

【要約】 探偵業を始めるには、公安委員会(警察)に届け出なければならない。また、自分の名義を他人に貸して営業させてはならない。

  • 解説: 無許可で営業している「モグリ」の探偵や、他人の看板を借りて営業しているブローカーを禁止しています。これに違反する業者は犯罪者です。

第6条(探偵業務の実施の原則)

探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」という。)は、探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。

【要約】 他人の平穏な生活を侵害してはならない。また、差別調査や、ストーカー行為、DV(ドメスティック・バイオレンス)の幇助(手助け)になる調査をしてはならない。調査中に違法目的だとわかったら、即座にやめなければならない。

  • 解説: 差別部落の調査や、別れた恋人の居場所を探す(ストーカー目的)依頼は受けられません。まともな探偵が「調査目的」を詳しく聞いてくるのは、この法律を守るためです。

第7条(書面の交付を受ける義務)

探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、当該依頼者から、当該探偵業務に係る調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面の交付を受けなければならない。

第8条(重要事項の説明等)

探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該依頼者に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。
一 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 第四条第一項の規定による届出をした公安委員会の名称
三 探偵業務を行うに当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)その他の法令を遵守するものであること。
四 第十条に規定する事項
五 提供することができる探偵業務の内容
六 探偵業務の委託に関する事項
七 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の概算額及び支払時期
八 契約の解除に関する事項
九 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する事項
2 探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を当該依頼者に交付しなければならない。
一 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 探偵業務を行う契約の締結を担当した者の氏名及び契約年月日
三 探偵業務に係る調査の内容、期間及び方法
四 探偵業務に係る調査の結果の報告の方法及び期限
五 探偵業務の委託に関する定めがあるときは、その内容
六 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額並びにその支払の時期及び方法
七 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
八 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する定めがあるときは、その内容

【要約】 契約を締結したときは、遅滞なく、以下の内容を記載した契約書を依頼者に交付しなければならない。

  1. 調査内容・期間・方法
  2. 調査結果の報告方法
  3. 契約の解除に関する事項(キャンセル規定)
  4. 費用の額、支払時期、方法
  • 解説: **【金銭トラブル防止の要】**です。 「口約束」は通用しません。特に「費用の総額」や「キャンセル料」がこの契約書に明記されているかを確認する必要があります。

第9条(探偵業務の実施に関する規制)

1 探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない。
2 探偵業者は、探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはならない。

【要約】 調査を行う際、人の生活の平穏を害したり、権利を侵害したりしてはならない(不法侵入などの禁止)。

  • 解説: 「手段を選ばず証拠を取る(住居侵入や盗聴など)」は違法です。

第10条(秘密の保持等)

探偵業者の業務に従事する者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても、同様とする。
2 探偵業者は、探偵業務に関して作成し、又は取得した文書、写真その他の資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。)について、その不正又は不当な利用を防止するため必要な措置をとらなければならない。

【要約】 業務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らしてはならない。探偵をやめた後も同様とする。

  • 解説:依頼者の秘密や調査結果を他言しない「守秘義務」が法律で課されています。

第11条(教育)

探偵業者は、その使用人その他の従業者に対し、探偵業務を適正に実施させるため、必要な教育を行わなければならない。

【要約】 探偵業者は、使用人(従業員)に対し、業務を適正に行わせるための教育・指導を行わなければならない。

  • 解説: 「バイトが勝手にやったこと」という言い訳は通用しません。業者は従業員教育をする義務があります。教育体制が整っているのが大手や優良業者の特徴です。

第12条(名簿の備付け等)

1 探偵業者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、使用人その他の従業者の名簿を備えて、必要な事項を記載しなければならない。
2 探偵業者は、第四条第一項の規定による届出をしたことを示す内閣府令で定める様式の標識について、営業所の見やすい場所に掲示するとともに、その事業の規模が著しく小さい場合その他の内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送又は有線放送に該当するものを除く。次項において同じ。)により公衆の閲覧に供しなければならない。
3 探偵業者以外の者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲示し、又は電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供してはならない。

【要約】 営業所ごとに、従業員の名簿を備え付けておかなければならない。

  • 解説: 誰が働いているかを明確にする義務です。身元不明の人間を適当に使っているようなずさんな管理を防ぐための規定です。

【要約】 探偵業者は、公安委員会から交付された「探偵業届出証明書」を、営業所の見やすい場所に掲示しなければならない。

  • 解説: 事務所に入ってパッと見えるところに「賞状のような証明書」があるか確認してください。
    • なければ違法(または無許可)です。
    • Webサイトにも、この証明書の番号を記載する義務があります。

第13条(報告及び立入検査)~第21条(罰則):省略

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